免疫療法とQOL
QOL(Quality of Life)は、「生活の質」と訳され、現在ではさまざま病気、特に重篤な病気を問題にする場合に出てくる用語です。当然のことながら、重篤な病気の代表格たるがんにも、この用語は頻繁に使われています。ところで、QOLが問題とされる場合には、その背後に、三大療法である外科的療法、放射線療法および化学療法に対する反省が含まれています。
これらの療法を用いた場合には、程度の差こそあれ、必ず後遺症的なものが残るからです。ひどい場合には、これらの療法を使ったため、人間らしい生活ができにくい状態になり、生きていくこと自体がつらく苦しいものになる可能性があるのです。万一のことを考えた全摘手術よりも、乳房温存療法や一部摘出手術、内視鏡や腹腔鏡手術を利用してできるだけ治療範囲を狭く特定する考えが出てきた背景にも、QOLを少しでも高めようとする発想があったのです。
そして、身体の内外に傷を残さない免疫療法は、QOLを高める究極の治療法といっても過言ではないでしょう。免疫療法は現在のところまだがんに対して一般的な有効性をもっているとは言い難い状況にあります。QOLとの関係からいえば、がん治療法の新たな展望は、ひとつ今後の免疫療法の状況いかんにかかっています。

