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がん患者から学ぶ人との接し方

がんが不治の病と言われた時代は去って、現在では、統計上では「治る」病気とまで言われるようになってきました。しかし、実際には、周囲を見渡す限り、死と隣り合わせにいる人たちの方が多いような気がしてなりません。個々の人間という視点からは、がんは、ある面、「不治の病」の異名を返上するには、この先まだかかりそうです。そして、それだからこそ、がんに罹患した人に対しては、他の病気にはない特別の配慮、気配りが必要になります。

しかし、ここでいう「特別の配慮、気配り」とは、がん患者だから、特にいつもと異なった態度で接しなければならないというわけではありません。そうではなく、いかに、いつもと同じ態度で、かつ、それをがん患者の目で見透かされないように行動できるか、という点が大切なのです。毎夜のごとくふと我に返る深夜の病棟、団欒の中でちょっとした弾みに途切れる家族の会話、そんな瞬間に、もしかして自分はもう…という気持ちに襲われながら、日々を生き抜いている、多くのがん患者たち。普通に接してもらっていれば忘れられる不安が、憐憫、悲嘆の気持ち、ぎこちない言動で元の木阿弥となる。健常者には分かるようで、分からない、がん患者の気持ち。がん患者に対しては、だからこそ、いつも以上に「普通」に接してあげることがわけても大切になるのです。そして、それは、がん患者の周囲にいる人たちに、自分自身を見つめ直す機会を与えてくれます。がん患者を通して人との接し方自体を再考する機会を、がんは与えてくれるのです。

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